Q.自己破産とどこが違うのですか?

A.主な違いは次の4点です。

@借金が残るか

自己破産をすると借金は全てなくなります。自己破産では破産手続開始決定後の収入・財産は原則としてすべて破産者のものとなり自由に使用・処分しても構いません。

個人再生では借金を大幅に減額しますが、原則として減額された借金を3年かけて返済していく必要があります。その返済額は自己破産をしたと仮定した場合に債権者に配当できるであろう額を上回る必要があります。

 

A住宅を維持できるか

自己破産の場合、住宅を所有していると強制的に換価処分され債権者に配当されますが、個人再生では住宅ローン特則を利用すれば、住宅を維持しながら借金の整理ができます

 

B免責不許可事由があるか

個人再生では、自己破産のような免責不許可事由はないので浪費・ギャンブルなどで多額の借金をしてしまった人でも、要件に合致さえすれば利用することができます

 

C資格制限があるか

個人再生では、自己破産のような資格制限もないので、会社の役員、宅建取引業者、警備員、生命保険の募集人、損害保険の代理人などの職に就いたまま利用が可能です。

Q.パートやアルバイトでも個人再生を利用できますか?

A.利用できる場合があります。

個人再生は、自己破産と違い、再生計画案で決まった額を将来の収入の中から分割返済していく必要がありますので、「将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込がある」という要件を満たしている必要があります。

 

ただ、パートやアルバイトの方で勤務先が変わる可能性があっても、別の勤務先で引き続き就労することが客観的・一般的にみて可能であると考えられる方であれば、この要件を満たすとされています。裁判所が公正な目で個別的な判断をすることになります。

Q.ギャンブルや浪費が原因でも個人再生を利用できますか?

A.個人再生では、借金の原因は問いません。

個人再生は自己破産のような免責不許可事由がないので、多額の負債を負った原因がギャンブルや浪費であっても利用することができます。
ですから、自己破産を申立てても免責にならない可能性が高いと思われる場合は、個人再生の利用を検討することになります。

Q.専門家に頼まずに自分で申立てができますか?

A.司法書士・弁護士などの専門家に依頼されることをおすすめします。

個人再生は債務整理の手続きの中でも一番複雑ですし、裁判所への申立書に書く説明も重要になります。ご本人による申立ても可能ですが、実際の申立てのほとんどは司法書士・弁護士関与の申立てとなっています。

Q.債務はどのくらい減額されるのですか?

A.原則は借金を5分の4をカットします。

個人再生は自己破産のように借金を全てチャラにする制度ではなく、債務を大幅にカットして返済していく制度です。
では、どのくらい減額されるかといいますと、原則的には債務総額の5分の4がカットされますが、最低でも弁済しなさいというラインが100万円と決められていますので、債務総額の5分の1か100万円のいずれか多い方の額を返済する必要があります(これを最低弁済額要件といいます)。

たとえば、小規模個人再生を利用した場合の最低弁済額は、債務総額が500万円であれば100万円、1500万円であれば300万円ということになります。

 

加えて、個人再生では清算価値保障原則というものがあります。
これは『弁済総額が破産手続きしたと仮定したばあいの債権者への配当額を下回らない』必要があるというものです。
要するに、自己破産では、依頼者様が所有している不動産・自動車・現金・預貯金・退職金見込額の一部・生命保険解約返戻金などは、原則としてすべて換価処分されて債権者に配当されるのであるから、小規模個人再生手続きにおいては、債務者はこのような財産の全部もしくは一部を保持できる代わりに、債務者は将来の収入の中から自分が所有する財産の価額以上のものを分割弁済する必要があるというわけです。

(さらに、給与所得者等再生では可処分所得要件というものがありますが、ここでは省きます。)

 

 

Q.どのような再生計画案を立てるのですか?

A.一定の要件を満たした再生計画である必要があります。
個人再生手続きを利用するには、再生計画が裁判所により認可決定され確定する必要があります。

この認可を得るには以下の5つの要件を満たす必要があります。

 

@各債権者において平等であること

A3ヶ月に1度以上の返済をする分割払いであること

B原則として3年(特別な事情があれば5年)で返済を完了すること

C最低弁済基準額を上回ること

D清算価値保障の原則を上回ること

 

CとDについては、 →小規模個人再生とは をご参照ください。

 

Q.全ての手続きが終わるのにどのくらいの期間がかかりますか?

A.約半年はかかると考えてください。
個人再生手続きは、裁判所に申立をしてから再生計画の認可決定が確定することによってすべての手続きが終了します。

長野地方裁判所では、おおむね半年はかかります。

Q.一部の借金だけを個人再生で処理できますか?

A.全ての債権者をまとめて扱う必要があります。

任意整理や特定調停では必ずしも全部の債権者と対象とする必要はなく、一部の債権者だけ処理することができますが、個人再生では必ず全債権者とまとめて取り扱う必要があります。
ですから、サラ金の借金だけを個人再生で処理して、銀行の借金は除くなどといった取扱いはできません。

Q.住宅ローンを手放さずに済みますか?

A.マイホームを維持しながら借金を整理できる場合もあります。

個人再生手続きを利用すれば、借金の何割かはカットされますが、この借金には住宅ローンは含まれていません。
ですから、たとえその他の借金が整理できても住宅ローンの支払ができずに、結局はその住宅ローンの支払のためにサラ金からお金を借りてしまうことも考えられます。
そういったことにならないために、住宅ローン特則が設けられました。
しかし、ここで勘違いしていただきたくないのは、住宅ローン特則はあくまでも約束どおりの住宅ローンを支払うことが困難となった債務者について、住宅を維持し続けられるように住宅ローンの支払猶予を認める制度であって、住宅ローンの支払額をカットする制度ではない、ということです。
つまり住宅ローンの支払期間を延長するに過ぎません。

 

この、制度を利用するには以下の2つの要件を満たす必要があります。

@ 住宅に住宅ローンを担保するための抵当権が設定されていること

『抵当権』には、根抵当権も含まれ、住宅ローンを申込んだ金融機関の抵当権だけでなく、その住宅ローンを保証する会社(保証会社)の付けた抵当権も該当します。

A @の抵当権以外の担保権がついていないこと

以上の要件に当てはまった場合にはじめて、住宅ローン特則を利用することができます。

なお、はじめから住宅を維持するつもりのない人は、住宅ローン特則を利用する必要はありません。

Q.ローン中の車はどうなりますか?

A.個人再生では、ローン中の車は引き上げられます。
個人再生手続きでは、一部の債権者を除いて処理することができませんので、ローン中の車があればそのローン会社を含めて処理する必要があります。

ローンの支払いが終わっていない車の所有権はローン会社にあります(これを、所有権留保といいます)ので、個人再生の申立てをするとローン会社は車を引き上げて処分してしまうのが原則です。
どうしても車を手元に残したい場合は、任意整理や特定調停を利用した方がいいでしょう。

Q.個人再生をすると保証人や親族に迷惑がかかりますか?

A.親族には影響ありません。保証人には全額請求されることを話しておくべきです。
個人再生手続きを申立てても、親族が連帯保証人や連帯債務者になっていない限り全く影響はないので、当然支払義務はありません。

保証人に関しては個人再生手続きの効力が及ばないので、債務者の再生計画が裁判所によって認可されて何割かカットされたとしても、債権者は保証人に対して全額請求できることになります。ですから、事前にすべての事情を保証人に話しておくべきでしょう。
一方、住宅ローン特則を利用して再生計画が認可された場合、その住宅資金特別条項に関しては、連帯債務者や連帯保証人にも効力は及ぶので、保証人等の責任は今までと変わらないということになります。

Q.家族に内緒でできますか?

A.同居している家族には話しておくべきです。
個人再生を申立てても裁判所から家族に連絡がいくことはありませんので、別居している家族にばれることはまずないといえます。

一方で、同居の家族の場合、裁判所から申立書に添付する書類として同居の家族の収入を証する書面等を要求される場合がありますし、裁判所から依頼者様宛に郵便が届きますので、内緒で個人再生手続ができるかどうかは難しいといえます。
無理に隠して後からバレるというよりも、事前に話をして家族の協力を得られるのが一番よいのではないでしょうか。

Q.業者からの取立ては止まりますか?

A.基本的に、取立ては止まります。
貸金業規制法に関するガイドラインにより、貸金業者は、『裁判手続きをとった旨の通知を受けた後に正当な事由なく債務者に支払に請求をしてはならない』と定められています
司法書士に依頼される場合、直ちに受任通知書を送付しますので、原則的に裁判所に申立てる前の段階で請求は全て止まることになります。

Q.家財道具は取り上げられますか?

A.家財道具はそのまま使えます。
個人再生手続きは将来の収入の中から裁判所によって認可された再生計画通りに債権者に返済していく手続きですので、自己破産のように債務者の財産が処分されることはありません。したがって、今までどおりの通常の生活を送ることができます。

Q.再生計画期間中に支払いができなくなった場合はどうすればいいのですか?

A.一定の要件を満たしていれば、残りの債務が免除される場合もあります。
弁済の終盤で支払いが困難になり、弁済期間を延長しても再生計画通りに弁済をすることができなくなったときは、一定の要件のもとで債権者に対するすべての債務について免責を得ることができ、これをハードシップ免責といいます。(再生手続き開始前の罰金などは除く)

ただし、住宅ローン債権にはこの免責の効果は及びません。
よって、住宅ローン特則を利用して住宅を維持した依頼者様は、再生計画通りに返済ができないのであれば、債権者によって担保権を実行されて、マイホームを手放さざるを得ないことになるでしょう。

ハードシップ免責の要件

@再生債務者に責任がない原因で、再生計画どおりの支払いが極めて困難でになったこと
例)リストラをされ再就職が困難である場合

  長期の入院の場合

A再生計画で支払っていくと決まった総額について、3/4以上の弁済を終えていること

B清算価値保障の原則を満たすこと (詳しくは →小規模個人再生とは をご参照ください。)

C再生計画の変更をすることが極めて困難であること

 

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