Q&A自己破産

Q.どのくらいの借金があれば自己破産ができますか?

A.自己破産をするためには、裁判所に『申立人は支払い不能の状態である』と認められることが必要になります。

この支払い不能と認められるためには、以下の3つの要件が必要です。

 

@ 債務を返済する能力がないこと

注意してほしいのは、今現在は財産がなくても、その人の信用力あるいは働くことによって返済資金を調達することがある程度簡単にできるのであれば、返済する能力がないとは言えない、ということです。

逆に、財産はあっても、それを金銭に換えることが難しいのであれば、返済する済能力がないといえます。

 

A 返済期限が来ていること

将来の債務や返済に猶予期限が付けられている債務について、その期限到来前に支払い不能になるということがないのは、当たり前といえば当たり前ですね。

 

B 今後も引き続き返済できないことが明らかであること

返済できない状態は、今後も継続していくことが明らかでなければなりません。つまり、一時的にお金が足りないというのでは不十分だということです。

支払い不能かどうかの判定は、その人の収入・資産状態・社会的地位によって大きく変わってきます。 結局、いくら借金があれは自己破産できるかというのは一概に言えないことになります。

ぜひ、この判断だけでも早めに専門家にご相談されることをおすすめします。

Q.自己破産の同時廃止とはどういうことですか?

A.債務者の財産が少なくて破産手続きの費用すら用意できない場合、破産手続きを進める意味がないので、破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任することなく破産手続きを終結(廃止)してしまうということをいいます。
自己破産申立ての90%以上が同時破産廃止になっています。
こうなると、破産者の財産は一切換価処分されることなく、その後新たに取得した財産については破産者自らが自由に処分しても構わないことになり、居住制限もなくなります。
しかし、同時廃止といっても、債務者が破産者になることに変わりはありませんので公私の資格制限(司法書士・弁護士・税理士・会社役員など)はあります。

Q.自己破産の免責決定とはどういうことですか?

A.自己破産では、免責決定を受けることが最終目標になります。
破産の申立てをして破産手続開始決定を受ければ、借金がなくなると誤解されている依頼者様がたまにいらっしゃいます。

しかし、実際は免責決定を受けて初めて借金がなくなるのです。
この免責決定が確定すると『復権』といって、債務者は破産手続開始決定のない以前の状態に戻り、公私の資格制限も解かれて全く普通に生活することができるようになります。
通常、この免責申立は自己破産申立てと同時におこないます。

Q.自己破産の申立てをしても借金が無くならない場合はありますか?

A.免責不許可事由に該当しない限り、借金は無くなります。

申立てをすると、裁判所が破産者を免責する(借金をゼロにする)かどうか審理します。
そして、以下の免責不許可事由に該当しない限り免責決定がされます。

 

@開始決定時に持っていた財産を隠したり、壊したり、債権者に不利益な処分をしたとき

A開始決定時に持っていた財産の負担を偽って増加させたとき(虚偽の抵当権をつけるなど)

B商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確または不正の記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき

C浪費やギャンブルなどで著しく財産を減少させたり又は過大な債務を負担したとき

D破産手続開始決定を遅らせる目的で著しく不利益な条件で新しい借金をしたり、クレジットカードで商品を買い入れ著しく不利な条件でこれを処分したとき

E破産原因があるのに、ある債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどしたとき

F破産手続開始決定前1年内に破産原因の事実があるのにそれがないことを信じさせるため嘘をついて信用取引により財産を得たとき

G虚偽の債権者名簿を裁判所に提出し、または裁判所に対し財産状態につき虚偽の陳述をしたとき

H破産者が免責申立前7年以内に免責を得たことがあるとき

I破産法に定める破産者の義務に違反したとき

上記のいずれにも該当しないのであれば借金はゼロになります。

 

ただ、実際はその判断が微妙なことも少なくありません。
そういった場合に、画一的に免責になる・ならないという2つの選択肢しかないと柔軟性に欠けるということで、『一部免責』という取扱がされています。
これは、例えば1000万円の借金のうち200万円を支払えば、のこりの800万円については免責をする、といった決定がなされます。

Q.自己破産の申立てをすると何回裁判所に行くことになりますか?

A.同時破産廃止であれば1回で済むことがほとんどです。
同時破産廃止のケースであれば、免責審尋の1回で済むことがほとんどです。
出頭した際は、裁判官から直接口頭で、破産申立書や陳述書に記載された内容、つまり自己破産申立の事情、例えば負債状況や資産状況、支払能力などについて質問されます。
なお、この審尋は申立後1〜2ヶ月後に指定されるのが通常です。

Q.自己破産の全ての手続が完了するまでにどのくらいかかりますか?

A.だいたい3か月程度かかります。
自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ3か月程度です。

Q.自己破産をしたことは周りのみんなに知られてしまいますか?

A.周りに知られる心配はほとんどありません。
@家族や友人について

破産手続開始決定を受けたからといって戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の就職や結婚などに影響が出ることはありません。
しかし、破産者の本籍地の市区町村役場の『破産者名簿』には記載されますが、これは第三者が勝手に見ることはできませんし免責決定を受けると破産者名簿からも抹消されます。
また、破産手続開始決定は官報に掲載されますが、一般人が見ることはまずないです。

A勤務先について

貸金業法により、業者の取立て行為は規制されますし、裁判所から勤務先に連絡がいくようなこともありませんので、会社をクビになるようなことはありません。

ただし、ごく稀に悪質なヤミ金業者が勤務先に督促の電話をし続けてくることもあり、これにより勤務先にに知られてしまい、居づらくなることも可能性としては考えられます。そこで、信頼できる上司などには正直に今の現状を打ち明け、理解を求めるようにして下さい。万が一のときにでも誠実に勤務先への忠誠を示せる準備はしておくべきです。

自己破産をするとブラックリストに載ってしまいますか?

A.5〜7年間、ブラックリストに登録されます。
自己破産をすると、信用情報機関にいわゆるブラックとして登録されてしまいます。

この登録機関は、信用情報機関によって多少の違いがありますが、およそ5年〜7年です。
このブラックリストに登録されると、その期間は銀行やサラ金からお金を借りたり、クレジット会社からクレジットカードの発行を受けることが困難となります。


しかし、最近は、自己破産をすれば他の業者からの請求が止まり、返済に回せるお金ができることを逆手に取って、新たに融資をする悪質業者が出てきています。
破産手続開始決定に回数制限はありませんが、前回の免責から7年経過していないと免責不許可事由となりますので、くれぐれも一度自己破産をしたならば同じ過ちを繰り返さないようにして下さい。

Q.自己破産をするとマイホームはどうなってしまいますか?

A.売却されるか競売にかけられますが、すぐに追い出される場合は少ないです。
自己破産は借金整理の最終手段ですので当然、必要最低限の生活用品を除く全ての財産は強制的に換価されて、債権者に平等に分配されます。

よって、マイホームのように非常に財産価値が高いものは、当然に換価されることになります。
具体的には破産管財人によって任意売却されるか競売にかけられることになります。
だからと言って、すぐに家を追い出されるというわけではなく、実際に新しい買主が現れるまでは従来どおりに住み続けることができます。
現実には、破産を申立ててから不動産が売却されるまでに半年以上かかることも珍しくありませんので、その間であれば追い出されることはないといえます。

Q.自己破産をすると家財道具も差押えをされてしまいますか?

A.よほど高価な物でない限り、取り上げられることはありません。
自己破産の申立をすると、基本的にお金に換えることのできる物は強制処分されてしまいます。

しかし、そうは言っても債務者の最低限の生活は保証されることになっていますので、生活する上で最低限必要と思われるの家財道具は、差押え禁止財産として取上げられることはありません。

 

Q.自己破産をすると今住んでいるアパートを追い出されませんか?

A.アパートを追い出されることはまずないと考えて大丈夫です。
破産をしたからといって、アパートを追い出されてしまうことはまずないと言えます。

しかし民法では『借家人が破産した場合には、家主は解約を申出ることができる』とされています。
よって、この規定によれば破産者は非常に不安定な状況にあると言えますが、実際に破産したことが家主に知られることはまずないので、そんなに心配することはないでしょう。
もちろん、既に家賃が何ヶ月も滞納していたりすれば明け渡しを求められるのは当然です。

また、万が一破産の事実を家主に知られてしまったならば、正直に今の事情を話して理解してもらうしかないでしょう。

Q.自己破産をすると保証人に迷惑はかかりますか?

A.はい、保証人は免責されません。正直に事情を話すことが解決への第一歩です。
債務者本人が自己破産をして免責されたとしても、それは保証人には何の影響もありません。

よって、債務者の他に保証人・連帯保証人がいるのであれば、今度はそちらに借金の督促が集中することになります。
だからと言って、保証人に迷惑はかけられないといって自己破産を躊躇しても解決の先送りにしかなりません。
ですから、自分が自己破産をする前に必ず保証人にも今の実情を正直に話して、その保証人を含めた債務整理を考える必要があります

とにかく大切なことは保証人に対して誠意をもって全てをきちんと説明するということであり、そのような義務が債務者にはあるのです。

Q.自己破産をすると銀行取引はできなくなりますか?

A.通常の預金や公共料金の支払は問題なくおこなうことができます。
自己破産をすると当然ブラックリストに登録されてしまいますので、銀行から融資を受けることはできなくなります。

だからと言って、銀行や郵便局に預金をしたり公共料金の引き落としまでができなくなるわけではありません。
しかし、一つ気をつけて欲しいのが、給与や年金の振込先の金融機関に対して借金があるような場合や、その預金口座からクレジット会社の引落としがある場合です。
このような場合、その預金口座に給与が振込まれますと、その金融機関は自分の債権と預金を相殺したり、クレジットの引落としを継続してしまう可能性があります。

そもそも自己破産というのは、全ての債権者に対して平等に財産を分配する制度ですので、このようなことがありますと偏頗弁済(へんぱべんさい=部の債権者に対する弁済)とみなされ、免責を受けられなくなる危険性がありますし、当座の生活資金にも困るようになってしまいます。

したがって、このような場合は破産の申立てと同時かそれ以前に、給与や年金の振込先口座を変更するようにしましょう。

Q.自己破産をすると退職金や生命保険の解約返戻金はどうなりますか?

A.退職金も財産とみなされる場合があります。
退職金に関しては、将来もらえるであろう見込み額の8分の1の金額を債権者の配当にまわすように指示されます。
もちろんこの場合でも、実際に会社を辞める必要はありません。

また、裁判所から指示されたお金を債務者が用意することは極めて困難ですので、実際のところは、裁判所に一定の猶予期間をもらってその間に用意したり、債務者の親族に借りたりすることになるでしょう。
生命保険の解約返戻金も、その額(20万円以上が一応の目安)によっては、退職金と同様に財産とみなされ、債権者へ分配されます。
よって、破産手続開始決定の申立ての際に、生命保険会社から交付される解約返戻金の証明書を添付します。

Q.自己破産をすると選挙権や職業は制限を受けますか?

A.選挙権はあるが一定の資格や職種に制限があります。
自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。

しかし、破産者には以下のような資格制限があります。
既に以下の資格や職種に就いていた人が破産をすれば、その資格や職を失うことになりますが免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。
弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・宅地建物取引主任者・株式(有限)会社の取締役・警備員・生命保険の外交員など

自己破産の申立てをすると業者からの取立てが厳しくなりませんか?

A.申立てをすると、ほとんどの業者はおとなしくなります。
司法書士が関与する自己破産では、申し立てと同時に各サラ金業者に通知書を送付します

貸金業者は基本的にすべて貸金業法という法律にもとづいて取り立てを厳しく規制されていますから、基本的にはこのタイミングで取り立ては止まります。

さらに、裁判所からも各サラ金業者へ意見聴取書が送付されますので、サラ金が知らんぷりをすることはできません。
しかし、それでもなお厳しい取立てを受けるような違法な業者でしたら、監督行政庁に苦情申立てをして行政指導をしてもらいます。
取立てを受けた際は必ず業者名と担当者名を聞いておき、具体的な違法行為についてメモをしておきましょう。

Q.審尋の日にサラ金業者が来て文句を言われたりしませんか?

A.まず業者は出席しないと思っていただいて大丈夫です。
破産手続きでの審尋(ご本人様が裁判所へ出向き、裁判官から質問をうけること)は、破産申立て時に1回と免責申立て時に1回の計2回のがあると破産法は定めていますが、前者についてはほとんど省略される扱いですので、基本的には1回だと考えてよいでしょう。

そして、免責申立て時の審尋には債権者の出席も認められているのですが、実際のところサラ金業者がこの審尋に出席して異議を述べることはまずありません。
たとえ異議を述べたとしても、それが免責不許可事由であると裁判所に認められなければ意味がないため、業者としても無駄な労力を費やすようなことはしないのです。

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